文藝と絵畫

芸術に関して思うところ、芸術の試み、日々の雑感。

科学技術について

 (絶対的に不可能なことではあるが)言うなれば、「科学」と「人文学」は一に端を発し、目的は同じであるものの両者は正反対の方向に進み、円を描いて一に帰る。帰一の瞬間、 人間はその役割を終え、比喩であるところの「宇宙」=全てと合一する。全ての事象が全ての事象と掛け合わせれて、全てが実現し、全てが フラットになる。そして、次の「人間」的存在が到来する。

 科学技術は自然に宿る聖性を積極的に再確認する。故人のDNA構造を表示する画面上の墓、それ自体が自然と故人への捧物であり、我々はその再生することのできない聖性に向かって手を合わせる。万物が発生し、また帰一するところの自然。科学技術は自然の全てを明らかにすることなどはできない。それは完全に不可能なことなのだ。

しかし、ともすれば、自然における偶然こそが、逆説的な絶対美ではないのか?