文藝と絵畫

芸術に関して思うところ、芸術の試み、日々の雑感。

2014-06-17から1日間の記事一覧

BEAT混濁タ

混ざり合う意識の深淵を歩いていた日々は何処に行ってしまったのか。認識の仕方すらわからなかったからこそ辿り着けたあの場所。今やそこがはっきりと見えるにも関わらず、透明の壁にやんわりと拒まれ、全く手が届かない。そうこうするうちに、だんだんと発…

詩『人――人』

人――人 Ⅰ静かなチューリッヒには キャバレーの小男と その取り巻き連中の 無為の中に収容されていく 戦時の夜空から煮出された 大量のコーヒーがあった おかしなものをひたすら崇める というある発明があった 辞書に刺さったナイフがあった ただの夕べがあっ…

科学技術について

(絶対的に不可能なことではあるが)言うなれば、「科学」と「人文学」は一に端を発し、目的は同じであるものの両者は正反対の方向に進み、円を描いて一に帰る。帰一の瞬間、 人間はその役割を終え、比喩であるところの「宇宙」=全てと合一する。全ての事象が…

詩について

紙は宇宙であり、書かれた言葉は「今」の我を映す鏡である。その中でも、詩というものは「今」を見る眼の作用に最も忠実な鏡となる。なぜなら、捉えがたい「今」を表すのには、詩人と共に生成し、中断されはしたものの継続する意志のある、端的かつ多義的な…