詩について
紙は宇宙であり、書かれた言葉は「今」の我を映す鏡である。その中でも、詩というものは「今」を見る眼の作用に最も忠実な鏡となる。なぜなら、捉えがたい「今」を表すのには、詩人と共に生成し、中断されはしたものの継続する意志のある、端的かつ多義的な詩句こそが最も優れているからだ。そして事実、紙と言葉とは本質的に何から何まで同 一のものであり、そこに「我」は存在の全一を目指すのである。
……
「」
我々は~であり、 我々は~であり、 我々は~であり、 我々は…… ……である。
そして我々はその全てであり、現今における「不」である。
我々は一である。
そして我々はその何物でもない。
(比喩としての白紙=「比喩としての宇宙」)